熊の木ひろば
江北村の歴史がつまっている熊の木ひろば。100年近く前の橋や石碑が保存されています。
■かつての景色を今に伝える場所
江北センターから神領堀緑道を南へ歩くと、神領堀緑道熊の木ひろば(以下、熊の木ひろば)があります。平成25(2013)年に整備された熊の木ひろばには小川が流れ、橋があり、春には様々な種類の桜が美しく咲きます。
今は緑道となっている神領堀は、昔は用水路で熊之木圦(くまのきいり:水門)を通って旧荒川(現隅田川)へ流れていきました。この場所に紀州熊野の霊木が流れ着いたという伝説も残されています。明治時代には江北村の人々によって、神領堀の先の荒川堤に多品種の里桜が植えられ、桜の名所として有名でした。この広場はかつての江北の様子を今に伝える大切な場所です。
■熊之木橋と熊之木圦
広場の小川には、熊之木橋というアーチ状の橋が架かっています。建設年代は天明年間といわれ、水面に映る様子がめがねのように見えるため、めがね橋とも呼ばれています。明治43(1910)年、幼少期の昭和天皇が荒川堤の花見に訪れた際に渡られたという記録も残っています。
橋の横にある熊之木圦は広場の整備の中で発掘され、れんが造りで建設された珍しさからそのままの形で保存されています。地域の歴史がつまった桜咲く熊の木ひろばは、散策におすすめの場所です。
(2023年12月)